日曜美術館(再)・ベラスケス

・・・寡黙な宮廷画家、というのは以前、別の番組で知りましたが、今回、知ったのは・・・。

仕事の記録は残ってるけど、ベラスケス本人の手紙や日記が残ってないとかで、最近の研究で分かったのが、実は、父方の祖父はユダヤ教徒だったという・・・。

異端審問とかも行われていた時代、発覚を恐れいていたのか?地方の下級貴族出身、ということになってたみたいです。

そのせいか、私的な記録もなく、あまり自分自身のことは語らなかったのかも、みたいな。

反面、絵画においては実験的な、それまでになかった描き方を試み、「ラス・メニーナス」の他、いくつかの作品を例に読み解く、みたいな流れでした。

個人的に、ベラスケスの絶筆になってしまった、輿入れ直前のマルガリータ王女の絵とか好きだったので、そちらも紹介して欲しかった気がしますけど・・・。

王族の肖像画のほか、名もなき庶民を描く際、働く人たちの姿を細かく描写(「織女たち」)とか、また、王家に仕えてはいるけど、あまりスポットを当てられない、難しい境遇にあった人たちの肖像画が出されて、表情から読み取れる、そのモデル達の心情なども紹介されてました。

ヒミツにしなければならない自分・でも出世した自分(X線により判明した下書き?だと「ラス・メニーナス」の自画像は、当初、横向きだったのが、完成品ではカメラ目線・正面を向いてる)と、そうでなかったかもしれなかった「自分」のたどったかもしれない?「立場」に生きる人たちの、内面まで描く事、見るものに訴えかける緊張感や心理的影響、という辺り、紹介されてました。

出自が全て、とは言い切れないですが(大意)、と、司会者の方。

ベラスケスが、弟子を描いた絵の逸話、モデルとその絵を同時に発表した時、鑑賞者は、モデル本人か絵の方か、どちらに話しかけていいか迷ったそうな・・・。

すごいエピソードですな・・・。


プライベートな記録は残さなかったけど、絵筆に託して、作品で、自分の思いを「語った」と、言えるかも??

作家と作品を混同するのは避けましょう、と学生時代叩き込まれた自分としては、ちょっと疑問もゼロではないですが・・・。

華やかな宮廷画家、という身分の一方で、知られざるベラスケスの一面を知りましたです。
・・・ただの優れた画家(印象派の元祖とも言われ、ピカソも注目していたそうな)、で終わらない、ナゾの部分も持った画家・ベラスケス、なのですね・・・。

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